当院での検査体制について
近年における子供の近視は世界的な課題として認識されており、近視進行の度合いを少なくするための治療法について、世界各国で広く行われるようになってきています。日本では近視進行抑制治療は予防医療に位置づけられており、その多くが自由診療で保険適応外になりますのでご留意ください。近視に関しての詳細はこちら「子供の近視」 をご参照ください。
当院では近視進行評価における専用機器であるTopcon社のMYAHを北海道で初導入しました。MYAHはアジア人のデータを基に近視進行の評価が可能な機器で、短時間で眼の屈折度数(近視の度数)と眼軸長(眼の大きさ)などを計測するのみならず、アジア人のデータベースに照らしたご本人の測定結果の現在地をグラフとして表示でき、治療を始めるかどうか、また治療効果はどうであるかを視覚的に分かりやすくご提示することが可能です。ただ闇雲に治療を勧めることはせず、常に現状と向き合いながら最適な対応を相談させていただけたらと思います。
なお、当院では学校の視力検診等で引っかかった子供たち(小学生~中学生)に対して、皆さんにMYAHでの測定を行い、近視進行に関する評価を行っております(前回測定時より半年以上経過している場合のみ測定します。近視抑制治療を始めていない方は、眼軸長測定などの費用はいただいておりません)。ご本人に合った眼鏡の作成相談はもちろん、平均よりも近視進行が早い、また近視が強い傾向があるなど、現状をお伝えさせていただけたらと思います。

近視のリスク因子について
同じ生活をしていても、強い近視になる子もいれば、そうでもない子もいますよね。ここでは近視発症のリスク評価について、ひとつご紹介させていただきます。 北アイルランドの疫学研究調査に基づいて作成され、現在は広く使われるようになったリスク指標にPreMo(Predicting Myopia Onset and Progression)というのがあります。簡単に3つの項目があり、1:両親が近視かどうか、2:近視の度数はどうか、3:眼軸長はどうかの3点です。子供の年齢によっても基準値は異なりますが、6~8歳での基準、9~10歳での基準をもとにスコアを算出したもののほか、近視発症前のスコアや、発症後のスコアについても提唱されています。近視は低年齢で発症するほど強度の近視に至る可能性が高まるため、ハイリスクと判断された子供たちには定期的な眼科検診と生活様式の改善が推奨されています。詳しくは 先端近視センターのホームページ(https://myopia-center.com/) をご参照ください。


日常で注意できることの一例
日常生活の中で、近視進行を予防するための方法をまとめてみます。これらはもちろん"無料"でできるので、ぜひやってみてほしいです。自由診療でどれだけお金をかけて治療を頑張ったとしても、近視の進行を加速させるライフスタイル、すなわち屋内にこもりがちな生活や、スマホやデジタルデバイスを長時間みる生活をしていては元も子もありません。ぜひ屋外活動時間の確保を中心に、ライフスタイル面でも近視進行にブレーキがかかるように心がけていただけたらと思います。
- 1日に2時間以上の屋外活動(台湾で非常に効果を得ております)
- 勉強の際に教科書やノートとの距離を30cm以上あける(近づいて見ない)
- 暗いところで読書やゲームをしない
- テレビは離れてみる。長時間見ない。30分に一度は休憩する。
- スマートフォンやタブレットPCなどを長く使わない(ゲーム等は最小限に)
- ノートの字は大きく書き、HB以上の濃い鉛筆を使う

近視進行抑制治療について
近視は眼の成長(大きくなる)でもあり、完全に止めることはできません。現在行われている近視進行抑制治療は、たとえば何もしなければ10D前後の強い近視になってしまう子供が、治療をしたおかげで4~5Dでの近視になったら良かったねという治療です。それでも近視の程度を少なくすることで、近視が原因となりやすい重篤な眼の病気(網膜剥離や緑内障など)のリスクを低減できます。そうした意味において、子供たちの未来の見え方を守るための治療であるといえます。自由診療でありかなりのコストがかかりますが、十分に検討に値する治療であると思います。 当院でご相談できる近視進行抑制治療として、「オルソケラトロジー」「低濃度アトロピン点眼」「遠近両用ソフトコンタクトレンズ」「レッドライト治療」があります。このうち低濃度アトロピン点眼は選定療養(保険+自費)、遠近両用ソフトコンタクトレンズは保険適応で検査や治療ができます(コンタクト料金が別途かかります)。また2025年9月にはアメリカにおいて「Stellest眼鏡」という「近視進行抑制メガネ」がFDA(アメリカ食品医薬品局)によって認可されました。日本での認可はまだ先かもしれませんが、当院ホームページでもご紹介させていただきます。