網膜のレーザー治療について
網膜のレーザー治療の目的は主に2つです。1つは網膜裂孔などにおいて、網膜剥離が発症しないように網膜を癒着させるために行うもの。もう1つは糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症など、網膜の虚血と酸素不足の状況に対して、虚血網膜にレーザーをすることで網膜の酸素需要を減らし、新生血管の発生を防ぐことです。 いずれも点眼麻酔をして行われますが、どうしても痛みが伴うことと、費用負担がまずまず大きい点がデメリットです。ただ網膜のレーザーは、やらなければ重篤な状態になってしまう可能性がある場合にお勧めする治療になりますので、そこはご本人に頑張ってもらう必要があります。
網膜裂孔に対するレーザー治療
網膜裂孔は網膜の特に周辺部に裂け目ができてしまうもので、放置することで網膜剥離を引き起こす可能性が非常に高い病気です。ひとたび網膜剥離になってしまうと大きな手術が必要であり、視力障害の後遺症を残すことも多くあるため、可能なら網膜剥離になる前に治療が必要になります。 レーザー治療で網膜裂孔の周辺を囲むことで癒着を促し、網膜剥離を予防することができます。イメージとしては"のり付け"です。のりが固まるまで10日程度かかるため、治療後2週間程度は安静にしてもらうことをお勧めします。

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に対するレーザー治療
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などでは、網膜を栄養する血流が悪化し酸素不足の状態となると、眼の中に新生血管を発生させてしまいます。ひとたび新生血管ができ始めると、病態として"増殖"といって状況を悪化させる方向へ進行してしまうため、レーザー治療で虚血になった網膜を処置することで、新生血管の発症リスクを低減する必要があります。 虚血網膜の範囲にもよりますが、特に糖尿病網膜症においては片目あたりでも数回の治療が必要になります。通院など大変かと思いますが、レーザー治療の効果がしっかり出てくれれば、多くの症例で病態を安定させることができるので、とても大事な治療になります。また相当に網膜の状態が悪化していて硝子体手術が必要な状況においても、術前にできる限りのレーザー治療を行い、少しでも病勢を安定させてから手術に臨むことをお勧めしています。

