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硝子体手術について

硝子体は主に眼の水晶体の奥にある透明のゼリー状の組織です。硝子体はその場にあるだけでは問題ありませんが、網膜とところどころで癒着していることもあり、何かの拍子に悪さをして網膜を含めた病気の原因になってしまうことがあります。硝子体手術においてはこの硝子体をカッターで切除吸引し、眼の奥にある網膜の病気に対して治療を行う手術です。 この硝子体手術は眼科の手術の中でも特に繊細で、網膜の状態を常に考えながら、数ミクロン単位の非常に細かい作業が求められる、難易度の高い手術です。また白内障手術とは異なり、網膜の状態は症例によって多種多様で、網膜という神経組織を扱う上で、病態への高度な理解や危機管理能力、そして臨機応変な対応力や決断力などが常に必要になります。そうした背景から硝子体手術を行うことのできる医師や施設は限られており、技術面はもちろんのこと、ある程度の経験を要する手術です。 当院の院長はこの網膜硝子体手術を専門とし、若いときから興味をもって網膜硝子体分野での研鑽を積み重ね、一般的な疾患から相当にこじれた困難症例に至るまで、数多くの疾患の治療に携わり、また若手医師たちへの手術指導も続けてきました。技術的なゴールというものは存在しませんが、皆様に安心して手術を受けていただけるよう、常に”より良い手術”を追及し、努力を重ねてまいります。

硝子体手術の適応疾患

硝子体手術の適応は、まず網膜の病気の多くが適応になります。多いのは網膜前膜や黄斑円孔、網膜剥離、糖尿病網膜症、硝子体出血などです。ほかには白内障手術の術中トラブルなどでも硝子体手術が必要になることがあります。

手術の方法などについて

硝子体手術は眼内にカッターや照明などをいれて行います。器具を出し入れするためのポートというものを3~4箇所程度作成し、そこから器具を挿入して手術を行います。ある程度の硝子体を切除吸引したら、網膜の病気に対してすべき処置を行います。 手術時間も白内障手術とは異なり長時間かかります。簡単なものでは30~40分くらいですが、長いものでは3時間以上を要するものもあります。また硝子体の処理そのものは痛みを伴いませんが、ポート作成時や眼球圧迫時、レーザー時には少し痛みが伴います。そのような処置をする際には前もってお声がけさせていただきます。

術後の体位制限と注意事項

網膜の状態によって、手術終了前に眼の中に空気や特殊なガス、シリコーンオイルといった物質を注入して網膜の安定化や創口閉鎖を促すことがあります。その際には術後に数日間から長ければ2週間程度、うつ伏せなどの体位制限が必要になることが多いです。この場合にはできるだけ長時間、帰宅して寝るときもうつ伏せが必要であり、かなり窮屈でつらい態勢になることが想定されます。当院では少しでも術後のストレスを緩和して皆様に治療を頑張っていただけるよう、うつ伏せ専用の枕の貸し出しを行っております(有料です)。ご希望の方はぜひお声がけください。詳しくは 「うつ伏せ専用枕の貸し出し」 をご参照ください。

また注意事項として、眼内に空気やガスなどが入っている際には、前述のような体位制限はもちろんですが、しばらくの間、飛行機に乗ったり、非常に標高の高い山に登ることなどができません(極度の気圧低下がダメ)。一般的な空気で3週間くらい、ガスは種類によりますが1~2か月くらいかけて徐々に吸収されて抜けていきますので、完全に無くなるまでは飛行機への搭乗は絶対にやめてください(失明リスクが高いです)。またシリコーンオイルの場合には自然には吸収されないので、網膜剥離がしっかり治って安定した段階で抜去する手術をご相談することになります(非常に難治な網膜剥離の場合は長期間ずっと入れっぱなしにすることもあります)。

手術時の麻酔などについて

手術は局所麻酔で行います。点眼麻酔に加え、前房内麻酔という眼の中に直接麻酔薬を注入する方法や、テノン嚢下麻酔や球後麻酔といった注射麻酔も併用します。しっかり麻酔を行うので、痛みが強くて手術ができないということはほとんどありません。ただ局所麻酔であり、恐怖心についてはどうしても避けられません。 当院では手術に対しての不安が強い方々へ、低濃度笑気麻酔というリラックス効果のある吸入麻酔や、抗不安薬を術前に内服してもらうといった追加でのオプション対応が可能です。ご希望の方はぜひご相談ください。 詳しくはこちら「低濃度笑気麻酔」「抗不安薬内服」 をご参照ください。

術後の見え方について

硝子体手術は基本的に網膜の病気(つまりは神経の病気)に対して行われることが多いです。手術が必要なレベルまで網膜にダメージがあると、手術で状況を改善できたとしても、神経そのものの機能が元通りに戻ることは難しく、見え方としては「何となく見えづらい」や「歪んでみえる」などの後遺症が残ることが多いです。 病気によっては見え方の現状維持や、また失明を防ぐことが手術の主目的になるため、術後の高い視機能を求めることは困難になるケースが大半ですのでどうぞご理解ください。

術後の通院について

硝子体手術は白内障と異なり、眼の手術の中では比較的大きな手術の一つです。通院も状況に応じてやや頻回となるほか、もともと網膜の病気などで手術が選択されていることから、病状が安定した後も定期的な通院が必要になります。 また他院よりご紹介いただいている場合においては、ご紹介元で継続して診ていただける場合には再度そちらへご紹介とさせていただきます。ただ病気や治療内容によっては当院を含めた網膜を専門としている施設への通院をお願いすることもありますので、その都度ご相談させてください。