レッドライト治療は、2014年に偶発的に発見され、2021年にアメリカの有名な眼科学会雑誌に報告されたことで世界中で大きな話題となりました。具体的には長波長の650nmの赤色光が過剰な眼軸長伸長を抑制することで近視進行が抑制されるというものです。近視進行抑制にまつわる機序の詳細はまだ分かってはおりませんが、赤色光には細胞エネルギーの活性化やドーパミン放出の促進といったミクロな効果のほか、脈絡膜の血管が拡張して血流を改善させる作用があると言われております。実際にレッドライトで治療をすると網膜の後ろにある脈絡膜という血管に富んだ膜が厚くなります。この脈絡膜において、血流や代謝などが改善することが機序の一つと考えられております。この”脈絡膜血流”という側面は、もともと病的近視への進行等へ関わる可能性が報告されており、既存の近視治療に対するゲームチェンジャーになるポテンシャルを秘めております。 実施方法は非常に簡便で、1日2回、1回に3分間、専用機器を用いて、自宅で赤い光を覗くだけです。週に5日だけ行うだけで、近視進行が約80%以上も抑制されたと報告されております。 レッドライト治療は現在行われている治療の中で、単独治療として最も抑制効果の優れた治療と認識されておりますが、長期的な安全性などはまだ不明であり、さらなる研究成果が望まれます。世界の多くの国で積極的に行われており、これからの治療の一つとして期待されています。 当院でもレッドライト治療を導入しており、クリニックでデモンストレーションを行うこともできます。ご興味のある方はぜひお声がけください。



メリットとデメリットについて
メリットとして一番大きいのは簡便にできること、そして治療効果が非常に高いことが挙げられます。単独での治療効果はもっとも高く、自宅で好きな時間にできる(学校行く前と夕食前など)というのが何より導入しやすいと思います。また現状で安全性も非常に高いと考えられ、世界中で数年間かけて広く行われていても重大な副作用が一切報告されていません。ごく一部で網膜への障害が報告されましたが、治療を中止することで数か月で回復を得られております。とある報告ではオルソケラトロジーと組み合わせることで、さらに高い効果が期待できるとも言われています。 デメリットとしては費用が高いこと(クリニックでの検査費用と機器貸し出し費用に加え、機器の使用費用(メーカーに支払い・サブスクリプション)がかかる)、長期的な成績がまだ不明であり、中止する際のリバウンドについてなども分かっておりません。また赤色光を覗くので、短期的な副作用として残像やまぶしさが残ることがあり、お子さんのモチベーションが保てるかという問題があります。この点はご家族の皆様でどれだけサポートできるのかが大切になります。
治療の適応について
レッドライト治療の適応として、当院では以下の適応基準を設けています。
・対象年齢は6歳~18歳 ・治療や副作用に対してご理解をいただける方
受けられない方 ・斜視がある方(両眼で赤色光を覗けないため) ・遺伝的な網膜疾患を指摘されている方 ・低濃度アトロピン点眼などを行っている方(瞳孔が拡大している方) ・何らかの眼の異常がある方
治療手順
適応検査(初回検査・予約制)
視力検査、眼圧検査、眼位検査、MYAHによる角膜形状解析と眼軸長測定、広角眼底カメラやOCTによる網膜の評価を行います。現在の近視の程度を詳細に確認し、治療の適応について判断します。検査や説明等で90~120分程度かかります。治療を決めたらデバイスをオーダーします。オーダーしてから届くまで約1か月少々かかります。クリニックに届きましたらご連絡させていただきます。 ・デバイスの貸し出しと定期診察 クリニックより治療デバイスを貸し出しさせていただきます。動作不良があった場合には返品するため、梱包してあった箱などは破棄せずにご自宅で大切に保管してください。デバイスの第三者への貸与・譲渡・転売は禁止されています。 定期診察は治療開始後1か月、3か月後の検診、以後は3~6か月に一度の定期検査となります。 ・Eyerising社へのユーザー登録 デバイスをご自宅に持ち帰っていただき、スマートフォンなどで梱包箱に記載されているQRコードを読み取り、リンク先でユーザー登録を行ってください。ユーザー登録の際に記入したEメールアドレスに「アイライジング・カスタマーポータルサイト」のリンクが貼られたメールが届きます。 ・ポータルサイトでの手続き(サブスクリプション用のクレジットカード登録含む) 【日本語の設定】 左側のメニュー「My Details」→「Language」→「日本語」を選択→ページ最下部で「保存」 【デバイス登録】 左側のメニュー「患者」→右上「患者を追加」→患者情報を入力→「患者を保存」 【支払い手続き設定】 左側のメニュー「患者」→右側のメニュー「更新」→プラン選択→カード情報入力→「確定」 ※サブスクリプション料金のお支払いは、クレジットカード払いのみとなります(JCB非対応)。 ※海外へのお支払いとなるため、クレジットカード会社へのセキュリティーロック解除の申請が必要になることがあります。詳細は、各クレジットカード会社へお問合せ下さい。 ※患者登録は、1台のデバイスにつき5人まで可能です。ただし、登録人数分のお支払いが必要です。 【登録した情報の確認】 登録したEメールアドレスに、デバイス使用時に入力するユーザー名・パスワード情報が届きます。 【デバイスのインターネット接続】 インターネットに接続したデバイスに、ユーザー名・パスワードを入力すれば、治療を開始できます。治療スケジュールが守れているかどうかは、インターネット経由でポータルサイトに反映されます。 ・治療開始 レッドライト治療を開始してください。 デバイスの使用方法はこちらのリンク先(https://www.eyelens.jp/media/eyerising/eyerising-guide-device.mp4)にある動画でご確認ください。
治療費用
レッドライト治療は保険適応外の自費診療で、以下の費用がかかります(子供医療費助成制度も適応されません)。また自費診療中に生じた合併症(治療中の網膜障害など)の治療や検査も保険適応外となり自費診療となります。加えて近視治療中の方における眼鏡やコンタクトレンズの処方箋発行も自費診療となります。予めご了承ください。
・適応検査(初回検査・予約制) 16500円(税込) 視力検査、眼圧検査、MYAHによる角膜形状解析と眼軸長測定、広角眼底カメラやOCTによる網膜の評価を行います。現在の近視の程度を詳細に確認し、治療の適応について判断します。検査の結果で治療を開始しない場合には8250円の費用がかかります。検査や説明等で90分前後かかります。治療開始を決めたら、デバイスをオーダーします。 ・初年度費用(デバイス貸し出し費用+1年間の検診費用) 165000円(税込) デバイスの貸し出しと治療開始後の定期健診(1、3、6、9、12か月後)費用を含みます。 ・2年目以降 定期検診 16500円(先払い・税込)/12か月間 視力検査や屈折検査、眼軸長測定等を行い、治療効果の判定を行います。また半年に一度は散瞳して眼底検査を行い、OCT等で網膜の状態を確認します。3~6か月に一度の検診が必要です。散瞳する日は夜の治療はお休みです。 ・メーカへお支払いのサブスクリプション料金 毎月払い 8250円(税込) 一括払い(1年分) 89100円(税込) 一括払い(2年分) 158400円(税込)
・眼鏡処方箋発行費用 1100円(税込) ・コンタクトレンズ処方箋発行費用 1100円(税込)
※費用の変動について 診療費用や薬剤費用は薬剤の卸値や消費税等の変動により予告なく変更となる場合があります。最新の費用につきましては当院スタッフまでお問い合わせください。
治療の注意事項
低濃度アトロピン治療との併用はできません。レッドライト療法を行う場合には、治療開始日より2週間以上前に、アトロピンの点眼を中止する必要があります。
・治療直後、一時的に光の眩しさ、閃光盲、残像といった副作用が起こることがあります。治療後は3分ほど、目を閉じて安静にされることをおすすめします。通常、治療を継続していくことで、これらの副作用は軽減していきます。 ・眩しさ、閃光盲、残像などの症状が5分を超えて続くことが3回以上あった場合、治療を中止し、当院にご連絡ください。 ・ごく稀に、光治療に対する過敏反応を原因として、網膜障害、視力低下が起こることがあります。光過敏症、眼刺激、眼熱傷などが生じた場合には、すぐに治療を中止し、当院にご連絡ください。
デバイスの取り扱いと保証内容
デバイスの耐用年数および保証期間は、製造から5年間です。
・耐用年数を超えてからも治療を継続する場合には、新しいデバイスが無料で提供されます。 ・保証期間中に適切な方法で使用したにもかかわらず、デバイスの故障が発生した場合、保証が受けられます。 ・ただし、以下のようなケースにおいては、保証の対象外となります。 ①損傷や落下、機械的な損傷、水の浸入といった、偶発的な要因や人的な要因などによる故障 ②落雷、地震、火災、その他の天災といった不可抗力による損害 ・その他、デバイスに貼られたステッカーが取り除かれている、拭き取られている、こすり取られている等、何らかの変更がある場合も保証の対象外となります。
デバイスの注意点
医療機関を変更される場合
引っ越しなどで医療機関を変更する場合、デバイスを返却していただく必要があります。必ず当院へご連絡ください。次の医療機関では、その医療機関が設定する費用のもと、新たなデバイスの貸与を受ける必要があります。なおサブスクリプション料金の期間が有効の場合は、メーカーへ依頼することで新しいデバイスを引き継ぐことが可能です。 ・海外へ持ち出しする場合 本デバイスは、100V~240Vまでの電圧に対応しているため、ほんとどの国・地域で利用できます。ただし、海外のコンセントに対応する変換プラグが必要ですので、ご注意ください。本デバイスを渡航先へと持ち込むことが可能であるかどうかは、航空会社や旅行代理店への問い合わせ、あるいはご自身での各国での制度の確認などでご判断ください。問い合わせ後、回答に時間がかかることがあるため、お早目のご確認をおすすめします。