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抗VEGF薬について

抗VEGF薬は"分子標的治療薬"の中の1つで、近年の医療研究の発展により人体での投与の有効性が認められた薬剤です。全身的には抗がん剤で同じような薬剤で、主に「異常な血管の成長を阻害する」役割が期待されています。この治療の出現で、今まで治療法がなく難治であった加齢黄斑変性の治療が大幅に進歩しました。ほかには網膜静脈閉塞症や糖尿病網膜症、近視性脈絡膜新生血管のほか、特殊例として未熟児網膜症や血管新生緑内障に対しても適応が広がっています。今後も他のいろいろな病気への適応拡大が見込まれます。

抗VEGF薬硝子体内注射について

抗VEGF薬を硝子体内(眼の中央)に注入することで、直接的に網膜の病気の治療を行います。点眼麻酔や消毒をしてから行いますが、注射ですのでチクッとした痛みはあります。注射そのものは非常に簡便で、一過性ですが高い効果が得られることから、世界中で広く治療が行われています。

抗VEGF薬のリスクやデメリットについて

注射治療のリスクとして、注射による手技的な合併症で眼内の出血や網膜剥離、水晶体損傷や感染症などが挙げられますが、ほか薬剤そのものの合併症で脳梗塞や心筋梗塞の再発という命にかかわる可能性がある重大なものも知られています。特に過去に脳梗塞を起こした方が再発しやすいと言われていますが、既往のない方でも隠れ脳梗塞のように症状がなく気づかないものもあり、残念ながら実際に報告されている数(1%未満)よりは多い印象があります。 また薬液が非常に効果であり、1本当たり10数万円のものがメインです。それでいて"手術ではない"ので一般的な医療保険の適応からも外れることがほとんどで、自己負担の大きいところもネックです。

●費用負担の概算(1回・片眼あたり)
1割 17000円前後
2割 18000円(上限)
3割 50000円前後
※使用する薬剤により変動します

治療計画について

よく「片眼あたり年間で8~10回以上注射している」などという意見が学会等で推奨されることもありますが、正直現実的ではない(製薬会社の宣伝?)と感じることも多々あります。そもそも自己負担額のお金を払うのも大変な中で、保険診療制度において、主にタバコや糖尿病などが原因で見えなくなっている病気(いわゆる自業自得の病気)に対しての継続的な"対症療法"でありながら、この医療費負担を自分たちの子供や孫世代に負わせていくのかという罪悪感も非常に感じております。両眼の頻回な治療が本当に必要としたら、一人の眼を"維持"するためだけに年間200万円前後を国(税金)が負担しています。ただひたすら注射ばかりして"その場を凌いでいる"のが今の日本の現状です。いかにして治療回数を減らしながら対応していくべきかを考える必要があると常日頃から感じています。

院長のこうした考えは勤務医時代から全く変わらず、多くても片眼で年3回まで、85%以上の症例は年に1~2回程度の注射治療で管理し、多くの患者さんで極度の視力低下を防ぎながら何年間も安定して経過しているという治療実績をもとに、いかにして患者さんの負担を軽減しながら治療を進めることができるかを常に追求してまいりました。

当院では患者さんの病状はもちろん、治療背景なども考慮しながら、どのような形でお付き合いしていくべきか、決して押し付けることはせずに、相談しながら治療を進めさせていただきます。